留置場日記 by High Timer

 

この日記は、大麻取締法により逮捕されたHigh Timerが、
留置場にて書き記した物です。

逮捕経緯

逮捕4ヶ月程前。
隠していた栽培室が、弟に見つかった。
過去何度も俺が栽培しているのを、弟は知ってた。
しかし今回の栽培室は規模も大きく、
実刑判決(恐喝等)を受け、2年半ぶりに帰ってきた弟には隠していた。

ある日、栽培室で作業をしていると弟がやってきた。
『あ〜 見つかってしまった』と思った。
それからは、いらないリーフを弟にやっていた。

『花穂が欲しい』といわれた。
その時にはもうトップの部分が3〜4本しか残っていなかったので、
『一本2万円だったらいいよ』と言ってしまう。

弟は昔からシンナー中毒だった事もあり、
俺がそのことを注意すると、大麻の事について言い返してきていた。
『弱み』を握られている気分だった。

仕事中突然、友達と称する初顔の男を連れてきた。
山口組組員だとあとで知る。
そいつが金を出した。
一本くれてやる。

その時、リーフで作ったカナバターがあるのを思い出し、
冷蔵庫から出し、口に持っていくと、
『後で食う』と。

その組員が、県警から覚せい剤でマークされていて、
ガサ入れの際に、冷蔵庫から俺のやったバターが見つかった。

数日後、父から弟が警察に捕まったと聞く。
『大麻とか言ってた』と・・・
それを聞いて頭から血の気のひくのを、今でも覚えている。

その5日あと、店の入り口(父の店)に客らしくない6〜7人ほどの男達が立っていた。
一人が店に入ってきて、父に挨拶した。
『この前はどうも』

『来た』と思った。
俺はその男に『兄か?』と聞かれ、2階にある自分の店に連れて行かれる・・・・。

ココまでが逮捕までのおおよその事実です。
弟と友達の組員は、捜査協力したということで、不起訴処分になりました。

日記

手錠をされ、一番近いHインターチェンジまで、自分で案内してJ市(約1時間半)の警察署へ向かう。道のりの景色は、夢の中を漂っている様だった。

署に到着し、裏口から入る。取調室に入り、簡単な確認(今回の事件について)をし、廊下の奥の留置場に入ったのは、夜9時半ぐらいだった。六つある網のついた半円形に並べられた部屋の前を通って、アコーディオンカーテンの付いた部屋へ入る。そこで持ち物の確認をして、病気の有無などを聞かれた。6号室に入るように、小声で言われる。

1〜6号の部屋は、みな暗くなっている。部屋の出入り口には、茶色のゴムサンダルが並んでいる。人が入っているのかどうか、中は何も見えない。

自分で布団を運び、6号室に入る。

んっ・・・誰かいる。長髪、痩せ型、色黒・・・わかったのはそのくらいだった。布団を袋状のシーツに入れ、ほとんどくっつきそうに並べた。

いつ寝たのかわからないまま眠りについた。

朝6:55 隣から肩を叩かれ起こされる。布団を片付ける。1号室から片付け始め6号室まで30っぷんぐらい待った。布団を片付けると、部屋をはき掃除して、歯磨き、洗顔する。終わった人から朝の弁当が配られる。

さすがに食えない。ただでさえ、朝食食わんのに・・・。気分的に食えないけど、とにかく食う。食わんと、元気でねーと思って食う。味なんか知らねー。半分残したが、腹一杯食った。

 

始めの1、2日は、半眠半覚醒状態で、取調べの後部屋に戻ると、一瞬(1〜2分)眠ったようになり、夢を見るんだよ夢を・・・。それを何回も繰り返す。昼食にキノコでも食わされたかなーと思うほど何回も。

何とか飯が食えるようになったのは、三日目の朝からだった。それも、取り調べがきつく、二日目におもいっきりでかい声で怒鳴られた。それで俺も頭に来て、怒鳴り返した。担当刑事(以後Uさん)はちょっとビックリした様で、次の日に「もー お前を怒鳴らん」とぽつんと言った。

そんな事もあり、“闘ってやる”と思い始めた。そしたら三日目から飯がうまくなった。

飯が食えるようになると、周りが見えてくる。最初は相部屋の人。Sさん。年齢40〜45、肌がいじょうに黒い。(後に2人と相部屋になるが、なぜか全員黒かった)足の裏は、俺の20倍汚い。夏でもないのに肌がむけてる。浮浪者だと思った。

それから10日間程Sさんとは一緒だった。朝の“おはよー”も言った事が無かった。俺の中では、シドニーに居た日本人ホームレスと重なっていた。Sさんは声が高い。そして機敏で、身が軽い。印象深い一言は、「ごちそーさまでした」だった。

印象深いといえば、もう一人マルコスがいた。日系ブラジル人で、黒い髪の一部を金髪に染めていた。日本語はほとんどダメで、二言目には「マーボーメン、マーボーメンおいしい」と毎日言ったいた。マルコスはマーボーメンと言ってるか、屁をしてるかのどっちかだった。

ある晩マルコスは、屁を30連発ぐらいして、消灯後も他の留置者から笑いを取っていた。実はマルコスは拘置所でもこれをやった。わかる人にはわかると思うが、拘置所でのこういった行為は自殺行為なんだが、俺は屁を聞いて安らぎを覚えた。翌日マルコスの部屋周辺の俺たちは、全員呼び出しをくい、笑ったかどうか問いただされた。全く下らんと思った。

これは後日談だが、マルコスはグレイシー柔術を習っており、現在18段だそうだ。恐るべし、グレイシー柔術。いったい何段あるのか。

 

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