「アムステルダム体験記」  by バングラッシ―


 平成7年1月、大麻取締法違反で逮捕、その後起訴され
3月に行なわれた2回目の公判で判決が下り
懲役6ヵ月執行猶予3年という量刑でした。
社会に戻ったが
執行猶予中の身重な気持ちと、大麻吸引で自分が被った害は無く
被害者がいた訳でも無いのに、何故あんな目にという疑問を抱きながら
淡々とした日々を過ごしていた。
そんなある日近所の書店で、第三書館のマリファナXが目に止まりさっそく購入した。
逮捕後という事もあり、とても冷静沈着に読む事ができた。
講読して得た結果は、やはり私は法廷に引っ張り出され裁きを受けなければ
ならない犯罪者ではなかったと強く感じた。
本章の中でKさんが書かれた大麻解禁運動の始動、
「麻の復権をめざす会」の裁判レポート内容に

「なぜ現代人に大麻は必要なのかを広く社会に知らせなければならない。
私達は中途半端にやりすぎて捕まった、だからもっとやらなくてはいけないのだ」

私はこの意味が分からなく理解できなかったので、一度会って話をしたいと思い
巻末に記してある住所、TEL番号をたどり連絡を取った。
Kさんは来るものを拒まない大らかな性格の人で「連絡してからおいで」と
あっさりしていた。
これがKさんとの出会い、「麻復権の会」のメンバーになるきっかけ
であった。
長野県の麻復権の会のメンバーは美麻村近辺に住んでいて
メンバーの中には幼少の頃、麻が川原などに自生していた
のを記憶している生き証人もいる。
現在美麻村は過疎化が進んでしまっている。
美麻村の名の由来は
この村は、美しい麻で繁栄し、
麻で豊かであれと御先祖様が願いを込めつけてくれた名であり
メンバーの目的は美麻村復活という強い信念があった。
麻復権の会のエピソードなどは、次回に機会があれば話したいと思っている。

話を戻そう、
Kさんの自宅を訪ね、話を聞くとさすがに詳しい。
77年のマリファナ裁判と言われた芥川裁判の話から
麻の未来のことなど話すとお互い尽きることはなかった。私が理解できなかったレポート
内容については、
物事は中途半端ではなく、徹底してやるべきであるとのことだった。
帰りぎわに、私達は理解されない一部の人間なのだろうか?
と話すと
「社会勉強の為にもアムステルタ゛ムに行って大麻吸引が反社会的行為なのか
自分の目で見て確認してくればいい」と助言してくれた。
帰りの車中で
そういえば取り調べ中、刑事に「何故大麻を禁止しているか教えてやる」
と言われ
阿片戦争を例に挙げ説明しはじめた
(大麻取締法違反で検挙されているのに阿片の話だった)
刑事の説明によると
使用した本人が滅び、家族が滅び、そして最後に国が滅びてしまう。
と言っていたのを思い出した。
こうなると自分の目で確かめようと思い
オランダ・アムステルダムに行く決意をした。

ところが
パスポートの件で少し悩んだ。
前回バリ島に行った時に使ったパスポートはすでに期限が切れており
申請しなければいけなかった。
5年間有効のパスポート申請を書いている時
内容に、現在裁判中及び執行猶予中ですか。
(執行猶予の場合罪名、猶予期間の記入あり)などという欄があった。
(裁判中は出国できない)
私の執行猶予は3年、パスポートの期限は5年
執行猶予満期を迎え、今から4年後に海外に行く場合でも執行猶予中です
のパスポートをもって歩くのかと思うと嫌な気持ちになった。
さらには
大麻取締法違反で執行猶予中なのに、少量の大麻所持(30g以下)は軽犯罪として
黙認されているアムステルタ゛ムに出国させてくれるのか?という心配が頭をよぎった。
だが、これは任意の質問だと判断し記入しなかった。
これが原因で出国できないとかパスポートを渡せないとなっても
仕方がないと腹をくくっていた。
ところが何も問題なく、パスポートを受け取った。
ひょっとして泳がされるのか?と心配したが、大麻を持ち帰る予定は全く無い
ので問題は無しだ! いざ出発。

1997年 2月10日〜15日休暇をとり5日間と短い旅だが
意義ある良い旅にしようと誓った。

10日(12時)
大阪関西空港よりKLM航空直航便で一路オランダへ
現地時間で10日PM5時頃オランダ・スキポール空港に到着
ワクワクしながら空港地下にある国鉄電車に乗り込む
日本からの愛好家達も、この電車に乗りアムステルタ゛ムを目指したと思うと心強くなっ
た。
アムステルタ゛ム・セントラル駅に降り立つ。
すでに日が暮れていて雨がザーザー降っていてやたら寒かった
予約した宿はセントラル駅近辺で目の前にありホッとし
さっそくチェックインした。
少々の不安と時差ボケ、約13時間の空の旅でドッと疲れがでた。
こんな時には何かを食べるに限るってことで
近くのマクト゛ナルト゛へ行ってハンハ゛ーカ゛ーをパクついた。
落ち着いたところで、目的のコーヒーショッフ゜へ
執行猶予中、異国、英語が片言、ましてやオランダ語などダメの
一人旅で三拍子不安を抱えながらアムステルタ゛ムの街を歩いた。
少し歩いたところでダム広場に通じるメインストリートに出ようと思い
路地を廻ると堂々とした看板「The・Wall」
コーヒーショッフ゜、ここだマリファナを売っているお店、もう足が勝手に向かってい
る!
想像していた事と違う点は、もっと細い裏路地に
申し訳なさそうな小さな看板で、見つけるのが困難かと思っていたが
まったく違った。
店のすぐ向こう側はメインストリートでトラム(路面電車)
が走る大通りの中、人々の往来が見える。
店のなかに入ると男女の店員が二人、客はカウンターに若者が二人
ヒ゛シ゛ネスマン風の男二人OL風の女一人がいた。
もしこの人達が見るからに薬物中毒のような感じで、危ないと思ったら
すぐ店を出ようとしていた。
だがそんなこともいらぬ心配だった、目があうとニッコリ微笑んでくれて
みんないい感じだった。
カウンターに座りメニューを見て、アムスハ゛イオで育ったスカンクをさっそく頼んだ。
(1g、25G)
目の前にペーパーがある、パイプでしか吸ったことがなかったので
どうやって巻くのか悩んでいると隣にいた学生風の兄ちゃんが
手とり足とり教えてくれた、マリファナをペーパーの上に解し
クルクルと器用に巻き手渡してくれ、これがジョイントだよと言い
身振りでペーパーの端を舐めて止めなさいと示してくれた。
それは限りなく、とても普通なことだと感じた。
少量の所持使用は非犯罪とするアムステルタ゛ムでの記念すべき一服目だ。
セット、セッティンク゛共に良好でそれはそれは素晴らしかった。
隣の兄ちゃん達はどこかに遊びにいくのだろう、店から出ていった。
しばらくすると仕事帰り風の女の子3人組が入ってきた。
彼女達はマリファナを受け取りテーブルでジョイントを回し
2階にあるプールバーに仲良く上がっていった。
日本の
居酒屋の方が騒がしいのは確かだと思ったりする。
この店「The・Wall」はセントラル駅よりメインストリートを歩いて5分以内で着く
すぐにでも味見と思ったらココ一番です。
さて、かなり長居をしてしまった、店を出て運河沿いを散歩し
レストランで夕食をすませ、ホテルに戻った。
心地よさはまだまだ残っている、ベッドの上で
「幸福追求権の自由」「思想、良心の自由」
に基づき大変リラックスしていますと独り言・・・・  深い眠りに就いた。

 

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